海外FXを行っているサラリーマンが知っておきたい税金の知識

近年の働き方の変化や経済状況の影響により、収入が大幅に減少してしまった人は決して少なくありません。このような厳しい状況を受け、サラリーマンの中には新たな収入源を模索する動きが広がっています。その一つの手段として注目されているのが海外FXです。すでに多くの人が、副収入を得る目的で海外FXに挑戦し始めています。

しかしながら、海外FXは国内FXと異なる仕組みを持っており、とりわけ税制面において大きな違いがあるため、事前に正しい知識を身につけることが極めて重要です。税金の仕組みを十分に理解せずに取引を行うと思わぬ税負担が発生する可能性があるため、慎重な対応が求められます。副収入を得るために始めたはずの海外FXが、適切な納税管理を怠ることで思わぬリスクにつながることもあるのです。

よって、海外FXを始める際には利益を出すことだけに注力するのではなく、税制の仕組みや適用されるルールについてもしっかりと理解しておくことが欠かせません。

今回は、サラリーマンが海外FXを利用する際に知っておくべき税金のポイントについて解説します。

サラリーマンが海外FXで得た利益にかかる税金とは?

海外FXで利益を得た場合、「所得税(復興特別所得税を含む)」および「住民税」 が課されます。特に、国内FXと異なり海外FXは総合課税の対象となる点に注意が必要です。

まず、国内FXでは申告分離課税が適用されます。申告分離課税とは、特定の所得を他の所得とは分けて計算して独立した税率で課税する方式です。国内FXや株式取引などに適用され、利益に対して一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税率が課されます。この方式の場合、他の所得と合算されないため税率が変動することはありません。

一方、海外FXで得た利益は総合課税の対象となり「雑所得」として扱われます。総合課税は、給与所得や不動産所得、配当所得、雑所得など、すべての所得を合算して課税額を算出する仕組みですが、総合課税は累進課税が適用されるため、所得が増えるほど税率も高くなり、最大で所得税45%(住民税を含めると最大55%)に達する場合があります。

サラリーマンの場合、給与所得に加えて海外FXの利益が総所得額に含まれるため、課税額が増加する可能性があることを理解しておくことが重要です。海外FXを始める際は、こうした税制の違いを把握し、適切な納税対策を講じることが求められます。

サラリーマンが海外FXで得た利益の税率はどうなる?

サラリーマンの方が給与所得に加えて海外FXで利益を得た場合には、総合課税が適用されるため海外FXの利益だけで税率が決まるわけではありません。給与所得を含む全体の所得を合計してその合計額に応じた税率が課されます。税率は、所得額に応じて段階的に変動します。

所得税の税率

課税される所得金額税率控除額
195万円以下の場合50
195万円を超えて330万円以下の場合1097,500
330万円を超えて695万円以下の場合20427,500
695万円を超えて900万円以下の場合23636,000
900万円を超えて1,800万円以下の場合331,536,000
1,800万円を超えて4,000万円以下の場合402,796,000
4,000万円超える場合454,796,000

引用参照:国税庁「所得税の税率

2024年時点での復興特別所得税の税率

2013年1月1日~2037年までの間12月31日まで、復興特別所得税が通常の所得税に上乗せされて徴収されます。

所得税額×2.1

2024年時点での住民税の税率

住民税の税率は、市区町村民税6%・都民税4%の合計10%です。所得の金額等により税率が変わることはありません。

市区町村民税課税される所得金額×6自治体ごとに異なる均等割り
都道府県民税課税される所得金額×4自治体ごとに異なる均等割り

海外FXでサラリーマンが利益を出したら確定申告を

サラリーマンが海外FXで利益を得た場合、確定申告が必要になります。給与所得については、通常雇用主が源泉徴収を行い、税金の手続きを代行します。しかし、海外FXの収益に関しては会社を通じた税務処理の対象ではないため、自分自身で申告し、納税する義務があります。

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの収入・経費を整理し、各種控除(医療費控除や扶養控除など)を適用した上で所得を計算し、翌年の2月16日から3月15日までの期間に税務署へ提出する手続きのことを指します。確定申告により、最終的な所得税額が確定、不足分の納税や、納め過ぎた場合の還付が行われる仕組みです。

以下に、確定申告の具体的な手順を解説します。

書類の準備

勤務先から発行される源泉徴収票、海外FX業者が提供する年間収支データ、さらに海外FXの取引に関連して発生した経費の領収書など、必要な書類を揃えましょう。控除を適用する場合は、社会保険料の控除証明書、医療費の明細書や領収書、住宅ローン控除の計算明細書なども準備が必要です。

確定申告書作成

確定申告の申告書を作成する際、税務署に出向いて用紙を受け取り、手書きで記入する方法もありますが、この方法では手間がかかるうえ、記入ミスのリスクや提出のための移動時間などが発生します。そのため、より便利な方法として国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を活用するのがおすすめです。

このオンラインサービスを利用すると、画面の指示に従って必要事項を入力するだけで申告書を簡単に作成できます。作成した申告書は、e-Tax(電子申告)を利用してオンラインで提出することも可能です。e-Taxを使えば、税務署に出向く必要がなく24時間いつでも申告ができるため、忙しい人にとって非常に便利です。

また、電子申告に対応していない場合でも作成した申告書をプリントアウトし郵送で提出する方法があります。この方法なら、直接税務署へ行かなくてもよいため、時間や手間を省きながらスムーズに申告を済ませることが可能です。

確定申告を行う際は、税務署で直接申告書を記入する方法よりも、インターネットを活用してe-Taxや郵送で提出する方が、効率的で負担が少ないといえます。

納税する

確定申告書を提出し、所得税額が確定したら次に納税の手続きを行います。所得税の納付期限は毎年3月15日と定められており、この期限までに適切に納税を済ませる必要があります。納税方法にはいくつかの選択肢があり、自分にとって便利な方法を選ぶことが可能です。

具体的な納税方法としては、預貯金口座からの自動引き落としによる振替納税、e-Taxを利用したオンライン決済、クレジットカード払い、QRコードを使用した決済、金融機関や税務署の窓口での現金払いなどがあります。特に振替納税を利用すると、納税期限よりも後の指定日に自動的に引き落としが行われるため、手続きの手間を減らすことができます。

また、確定申告を行うと後日住民税や固定資産税に関する納付書が送られてきますが、所得税については納付書の送付や納税通知といった案内は基本的にありません。そのため、確定申告後に自分で納税額を確認し、期限までに適切な方法で支払う必要があります。万が一を見落としてしまうと、期限内に納税できず延滞税が発生する可能性もあるため、しっかりと意識しておくことが重要です。

確定申告書に関する書類や資料の保管をする

確定申告を行う際、領収書を税務署に提出する必要はありませんが、一定期間保管しておく義務があります。税務調査や確認が求められた場合に備え、必要な書類を適切に管理しておくことが重要です。

保管期間については、申告の種類によって異なります。青色申告の場合は7年間、白色申告の場合は5年間の保管義務があり、この期間内に書類の紛失や破棄をしてしまうと、税務調査の際に証明できないリスクが生じます。そのため、領収書や関係書類は適切に管理し、指定された期間が経過するまで確実に保管しておく必要があります。

保管するべき書類には、確定申告書の控え、経費に関する領収書、海外FX業者ごとの年間収支がわかる取引明細や画面キャプチャなどが含まれます。これらの書類を年度ごとに整理し、ファイルやデジタルデータとして保存しておくと、万が一、税務署から確認を求められた際にもスムーズに対応できます。また、電子データで保存する場合は、クラウドストレージや外付けハードディスクなどにバックアップを取ることで、紛失のリスクを減らすことができます。

このように、確定申告後も領収書や関連書類の適切な管理を心掛けることで、後々の手続きがスムーズになり税務調査などにも安心して対応できるようになります。

海外FXで利益を得たサラリーマンの節税方法

海外FXで利益を得たサラリーマンの方の節税方法は、主に「経費を増やす」「控除を増やす」の2つの方法があります。

経費を増やす

経費を増やす際には、FXトレードに関するさまざまな費用が経費として認められる可能性があります。ただし、すべての支出が経費として認められるわけではないため、慎重に判断することが大切です。何が経費に該当するか不明な場合は、税理士などの専門家に相談して適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

経費として計上できる可能性があるものには、トレードのために購入した書籍代やDVD、Blu-ray、セミナー参加費、有料のメールマガジンや情報サイトの登録費用、取引手数料などがあります。また、MT4/MT5で使用する有料インジケーターやEAの購入費用、新聞代、プロバイダー料金、光回線やWi-Fiの利用料金、VPSサーバーの費用など、トレード環境を整えるための支出も経費として認められる場合があります。

さらに、問い合わせに使用した電話や携帯電話の料金、文房具や事務用品、パソコンや周辺機器、プリンターなども対象になる可能性があります。加えて、入金用のクレジットカードやデビットカードの年会費、海外送金時の送金手数料、トレーダー仲間との会食費用、自宅をトレード専用の作業場として使用している場合の家賃や光熱費の一部なども経費として計上できる場合があります。また、トレードに関連して海外へ渡航した場合の費用も経費として認められる可能性があります。

ただし、これらの支出を経費として計上する際には、税務調査に備えて領収書や支出の証拠をしっかりと保管し、合理的な説明ができるようにしておくことが重要です。

控除を増やす

サラリーマンが利用できる控除にはさまざまな種類があり、適切に活用することで税負担を軽減することができます。控除を上手に利用することで節税効果を高められるため、自分が適用できる控除を理解し、積極的に活用していくことが重要です。

「ふるさと納税」は、自分が応援したい自治体に寄付をすることで返礼品を受け取ることができる制度です。寄付した金額のうち一定額が所得税や住民税から控除されるため、節税につながります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)も有効な節税手段です。iDeCoでは、毎月の掛金が全額所得控除の対象となるため、課税所得を減らすことができます。運用益は非課税となり、受け取る際にも一定の控除が適用されるため、老後の資産形成と節税を同時に行うことが可能です。

医療費控除やセルフメディケーション税制も活用できる節税方法。1年間の医療費が一定額を超えた場合、医療費控除を利用すると所得税が軽減されます。セルフメディケーション税制では、特定の市販薬を購入した際に一定額の控除を受けることができるため、医療費があまりかからない人でも利用しやすい制度です。

扶養控除や住宅ローン控除も代表的な控除のひとつ。扶養控除は、配偶者や子ども、親などを扶養している場合に適用され、税額が軽減されます。住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを購入した際に適用され、年末時点のローン残高に応じて所得税や住民税が控除される仕組みになっています。

さらに、特定支出控除もあります。仕事に関する支出が一定額を超えた場合に適用される制度で、資格取得費、通勤費、転勤費用などが対象になります。これらの控除を活用することで、税負担を抑えながら効率的に資産を管理することができます。控除の適用条件や申請方法を事前に確認し、可能な限り活用していきましょう。

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