FXトレードをする中、「ロンドン時間」という言葉を目にすることがあるかもしれません。
FXで勝利していくためには、タイミングの見極めが重要です。ロンドン時間は、世界の3大市場が交差するタイミングで、多くのトレーダーが注目する時間帯ですので、価格変動のダイナミズムを味方につけ、戦略的に取引を進めましょう。
本記事では、FXにおけるロンドン時間の意義やその特徴について、詳しく解説します。
FXにおけるロンドン時間とは？
FXトレードにおいてロンドン時間とは、外国為替市場における主要な取引時間帯の一つで、ロンドン市場が開いている時間を指します。具体的には、ロンドン時間の午前8時から午後4時までが取引の中心となります。
日本時間に置き換えると
夏時間：午後4時～翌0時
冬時間：午後5時～翌1時
サマータイムの期間は
開始：3月の最後の日曜
終了：10月の最後の日曜
となっています。このロンドン時間は、ヨーロッパの金融センターが活発に動き始め、アジア市場からの取引を引き継ぎながらニューヨーク市場が開くまでの橋渡しをする重要な時間です。世界中のトレーダーがこの時間帯を利用して取引を行うため、流動性が高まり価格変動も大きくなるのが特徴です。
特に主要通貨ペアの取引が活発化するため、短期的な取引機会を狙うトレーダーにとっては非常に注目される時間帯です。また、ロンドン市場が他の市場と重なる時間帯が多いことから、取引量が最も多くなる「ゴールデンタイム」とされ、多くの戦略がこの時間帯に向けて設計されます。
ロンドンの影響力や特徴は、金融の歴史や国民の金融資産の動向、ヘッジファンドの多さ、中東との関係、オイルマネーの流入、貴金属取引の中心地としての役割、特に金の取引に関連しています。このような要素が相まって、ロンドン時間の影響が非常に大きくその背後にある要因を理解することで、なぜロンドン時間が活発であるのかが見えてきます。
ロンドン時間での主要通貨ペアはどれ？
ロンドン時間で特に活発に取引される主要通貨ペアは、次のような世界の主要通貨を基軸としたものです。
ロンドン時間帯は取引量が多く、ボラティリティも高いためトレーダーにとって大きなチャンスとなります。
EUR/USD（ユーロ/米ドル）
世界で最も取引量が多い通貨ペアで、ロンドン時間では特に活発です。欧州と米国の経済ニュースや市場の動きが大きな影響を与えるため、この時間帯は価格変動が頻繁に起こります。
GBP/USD（英ポンド/米ドル）
「ケーブル」とも呼ばれるこのペアは、ロンドン市場の地元通貨であるポンドが関与しており、ロンドン時間中に大きな取引が行われます。英国の経済指標や政治的なニュースが特に影響を及ぼします。
EUR/GBP（ユーロ/英ポンド）
欧州と英国の関係性が反映されるペアで、ロンドン時間においてはヨーロッパの市場動向が価格に直接影響します。両地域の経済指標や政策発表のタイミングで流動性が高まります。
USD/JPY（米ドル/円）
アジア市場からの流れを引き継ぎ、ロンドン市場での米ドルの動きが反映されるため、この時間帯も取引量が増加します。特にニューヨーク市場が近づくにつれ、ボラティリティが高まる傾向があります。
EUR/JPY（ユーロ/円）
ヨーロッパとアジアのクロス通貨として、ロンドン時間に活発な動きを見せます。ロンドン市場でのユーロの取引が影響を与え、特に欧州経済指標が注目されます。
GBP/JPY（英ポンド/円）
ボラティリティが高い通貨ペアとして知られ、ロンドン時間中に大きな動きが期待されます。英国や日本のニュースが価格に大きく影響を与えるため、トレーダーにとって興味深いペアです。
これらの通貨ペアは、ロンドン市場の流動性とボラティリティの高さを背景に、トレードチャンスが豊富なため、トレーダーにとって非常に魅力的です。特にロンドン時間に最も取引される通貨ペアはユーロ/ドル。そのスプレッドはおおよそ0.3pipsから0.5pipsの範囲です。
ロンドン時間の値動きにはどのような特徴がある？
ロンドン時間は多くの国々の市場が開かれる時間帯であり、取引活動は非常に活発で多くのトレーダーが取引を行っています。ロンドンの夏期間は、ロンドン市場が開始すると同時に東京市場と約1時間オーバーラップし、さらに香港やシンガポールなどのアジア市場とも時間が重なります。
ロンドン時間の午後になると、アメリカ市場も活発に動き始めて市場の動きはさらに加速します。ロンドン時間が始まると、実需筋(実際の取引ニーズに基づく取引を行う者)や投機筋(価格の変動を利用して利益を得ようとする者)など、さまざまな参加者が集まって大きな取引が行われることが多いことから価格の動きが大きくなる傾向があります。
このため、ロンドン時間ではトレンドが形成されやすくなります。
また、ロンドンフィキシングはロンドン時間でトレンドが形成される要因の一つです。
ロンドンフィキシングは、ロンドン市場が開いた後の16時（夏時間では15時）に金の価格を決定するもので、この価格は世界中の金の基準価格として機能します。金価格と為替レートは密接に関連しており、金の価格変動に応じて為替レートも大きく動くことがあります。
さらに、ロンドンフィックスという別の時間帯もあり、夏時間では日本時間の24時、冬時間では25時に該当します。この時間に、銀行は顧客との外貨取引の基準レート、すなわち仲値を設定します。
日本市場では午前9時55分に仲値が決まるのに対し、ロンドンでは現地時間の16時に設定されます。ロンドンフィックス時には、実需筋の大規模な取引が行われるため、市場は非常に活発になって価格の動きが一層顕著になります。
ロンドン時間の値動きの相場
夏時間中、ロンドン市場が開始する16時を境に為替レートが急激に変動し始めるのは、ロンドンの金融関連企業が積極的に為替取引を行うためです。
そのため市場は非常に活発になり、主な通貨ペアでは大きな動きが見られます。この時間帯に利益を求めるトレーダーたちは、レバレッジを効かせて大量の取引を行いさらなる市場の変動を引き起こすことになります。特に月末にはこの動きが顕著です。
月末にはファンドの運用者や大手投資家が為替投資のポートフォリオを再編成するため、一時的にすべての取引をクローズすることもあり、その結果、市場に大きな影響を与えることがあるのでチェックしておきましょう。
