FX業者は国内海外含め、その選択肢は非常に多く、市場調査してみるとその種類の豊富さに驚く人が多いでしょう。選択肢が多いことはメリットである反面、どのブローカーが自分に最適なのかを見極めるのが難しいと感じることもあるかもしれません。
この記事では、FX業者を選ぶ際のポイントや注意すべき点について詳しく解説します。
優良FX業者を見つけるために確認したいポイント
すべてのFX業者が優秀というわけではありません。中には特筆すべき特徴がないものもあれば、利用を避けたほうが良いものも存在します。そのため、多数の選択肢の中から信頼性の高い優良なFX業者を選び出すことが必要で、その際にはいくつか注目すべきポイントを確認しておくことが重要となります。
以下が注目ポイントです。
設立年度や契約口座数 | どれだけの支持を得られているか? |
レバレッジ | 取引における可能性としてどれくらいのレバレッジか? |
コスト | 手数料やスプレッドなどの負担はどれくらいか? |
信用度 | 自己資本比率等の財務データから判断して信用できる業者かどうか? |
キャンペーン情報 | キャンペーンは頻繁に行われているか? |
このような項目をもとに、客観的にFX業者を分析していくと良いでしょう。
比較サイトを利用する時の注意点
先ほどFX業者を選ぶ際のポイントをお伝えしましたが、効率的に比較する方法としては「比較サイト」を活用するのも一つの手段です。実際、数多くのFX業者比較サイトが存在しており、有用な情報を提供してくれることもあります。
しかし、このようなサイトを利用する際にはいくつか注意が必要です。
まず、比較サイトの情報が必ずしも網羅的ではない点に気をつけましょう。なぜなら、客観的なデータと利用者の主観が反映された評価が混在している場合が多いからです。たとえば、特定のFX業者について掲載されているユーザーの感想は一見客観的に見えても主観的な要素を含むことが避けられません。そのため、こうした情報を鵜呑みにするのはリスクがあります。あるユーザーが「不満」と感じた点が実際には自分には適している場合もあれば、逆に「満足」とされた点が自分には合わないこともあり得ます。
さらに注意すべきなのは、スポンサー付きの比較サイトの存在です。特定のFX業者がスポンサーとなっている場合、そのブローカーに関するネガティブな情報が掲載されにくい傾向があります。
このような背景を理解した上で、情報の取捨選択を行い、自分に合った判断をすることが大事です。
もしFX業者が倒産したら?
FX取引を行う際、投資資金は一時的にFX業者に預けられることになります。しかし、FX業者の経営破綻リスクを考えると不安を感じるのも自然なことかもしれません。長年信頼してきたブローカーであっても倒産の可能性が全くないとは言い切れないのです。
そのため、FX業者が経営破綻した際に顧客資産がどのように取り扱われるかを確認しておくことはとても大事。過去には、企業の資産と顧客の資産を分別せずに管理し、顧客資産が業務運営に流用されていた例も報告されています。
このような状況では、ブローカーの破綻に伴い顧客資産が差し押さえられるリスクが発生します。法律で顧客資産の分別管理が義務付けられていますが、実際にブローカーが適切にそれを行っているかどうかを確認することが、安全性を確保するための基本的なポイントとなりますので、投資資金を守るためにも慎重に検討することが欠かせません。
信託保全を行っているFX業者を選ぶのが安全
分別管理は資産保護の基本となりますが、より高い安全性を求めるのであれば「信託保全」を採用しているFX業者を選ぶことがおすすめ。
信託保全では、企業の資産と顧客の資産を完全に分離し、独立した管理が行われるため、ブローカーが倒産しても顧客資産の安全が確保されます。ただし、分別管理だと万全とは言えません。
顧客資産をさらに強力に保護する手段として信託保全があります。信託保全では、顧客の投資資産が信託銀行に預けられるため、FX業者のの経営状況に関わらず安全性が保たれます。しかし信託保全を利用する際にも、顧客口座の残高、FX取引で得た利益、スワップポイントなどどの範囲が保証されるのかを事前に確認することが重要です。特に海外FX業者を利用する場合、安全性への懸念を抱く方も少なくありませんが、信託保全を導入している業者を選べば、海外FX業者特有の高いレバレッジや多様なサービスなどのメリットを安心して活用することが可能になります。
しかしながら、海外FXでも信託保全を導入しているところは数が少なく大半が分別管理であることは覚えおきましょう。
スキャルピングに向いているFX業者を探すポイント
これまでFX業者の選び方についてご紹介してきましたが、最後にスキャルピングに適したFX業者を見つける際のポイントについてもお伝えしておきます。
スプレッド
スキャルピングに適したFX業者を選ぶ際は、スプレッドに注目することが重要です。特に、スプレッドが狭く固定されているかどうかがポイントとなります。スキャルピングは少額の利益を積み重ねる手法であるため、スプレッドが狭いほど取引コストを抑えられ有利に進められるでしょう。
なお、スプレッドには固定制と変動制がありますが、変動制では相場の変動が激しい際にスプレッドが広がりやすく、利益を得る機会を逃してしまうリスクがあります。そのため、安定した取引環境を求めるスキャルピングでは、スプレッドが固定されているブローカーのほうが安心して取引を行えると言えるでしょう。
手数料
スキャルピングでは1日に複数回取引を行うため、取引ごとに手数料が発生するとその分コストがかさみせっかくの利益が削られてしまいます。そのため、手数料が無料のFX業者を選ぶことが理想的です。
なかには、スキャルピングを積極的にサポートし、低い手数料を提供しているブローカーも存在します。ただし、たとえ手数料が低くても、取引回数が増えることでコストが蓄積する点には注意が必要です。取引コストをしっかりと計算し、それを考慮した上で最適なブローカーを選ぶようにしましょう。
約定力
スキャルピングでは、約定力の高さも重要な要素となります。確実に注文が成立するかどうかは、スキャルピングで成功する上で非常に大切です。約定率が低かったり、頻繁にスリッページ(注文価格と実際の約定価格のズレ)が発生したりする場合、スキャルピングで安定して利益を上げるのは難しくなります。
もちろん注文が約定しなければ利益を確保することはできないため、約定力の高いFX業者を選ぶことを優先しましょう。スムーズで安定した取引環境を提供するブローカーを選ぶことがスキャルピングの成功につながります。
システム
スキャルピングでは主に1分足のチャートを基に取引が行われるため、システムが不安定では取引に大きな支障をきたします。システムが停止したり遅延が発生したりすると、レートの追跡や迅速な取引が難しくなり、取引チャンスを逃してしまうリスクが高まるためです。
短期間での売買を基本とするスキャルピングでは、短期チャートがスムーズに動作し、安定した取引環境を提供するFX業者を選ぶことが欠かせません。現在のポジションの損益がリアルタイムで正確に表示される機能も、タイムセンシティブなスキャルピングにおいてはとても重要です。
取引の迅速性を確保するためには、1クリックで注文が完結できる仕組みを備えた業者を選ぶことが理想的で、特にチャート上から直接注文を行えるシステムは、効率的な取引を実現する上で非常に有用といえます。とにかく、取引がスムーズで迅速に行える業者を選ぶことが、スキャルピングを成功に導きます。