ゼロカットシステムとは、特に金融取引や投資において、投資家の損失が預けた資金以上に拡大しないようにする仕組みを指します。たとえばCFD(差金決済取引)やFXなどレバレッジを利用した取引で適用されることが多いものですが、ゼロカットシステムにはさまざまなメリットがあります。
本記事では、ゼロカットシステムのメリットについて詳しくご紹介していきます。
借金を背負うリスクがない
ゼロカットシステムの最大のメリットは、追証(追加証拠金)による多額の借金のリスクが排除される点にあります。多くのトレーダーがFXトレードで失敗すると巨額の借金を抱える可能性があると考えがちですが、その原因の多くは追証によるものです。
追証とは、金融取引においてトレーダーが証拠金取引を行う際に、相場の変動などによって保有ポジションの損失が拡大して口座の証拠金が規定の水準を下回った場合に追加で求められる保証金のことを指します。追証が発生すると、トレーダーは速やかに追加資金を口座に入金しない限り、保有しているポジションが強制的に決済される可能性があります。
ゼロカットシステムを採用している海外FX業者の場合、口座残高がマイナスになっても損失はFX業者側で補填してくれるため、トレーダーが借金を負うことはありません。もちろん資産がゼロになるリスクはありますが、それ以上の負債を抱える心配はありません。
精神的にも安定した状態でFXトレード可能
ゼロカットシステムは、メンタル的な安心感をもたらします。FXトレードでは瞬時の決断が求められる場面が多く、その判断はトレーダーの心理状態に大きく影響されます。「大きな借金を負うかもしれない」という不安があるかないかでトレードの質が大きく変わることは間違いありません。
ゼロカットシステムは、特に初心者やリスクを抑えたい投資家にとって安心感を与える要素となります。
損失を限定できる
ゼロカットシステムが発動する場合、失うのは口座に預けた資金(デポジット)のみです。つまり、損失上限が最初から明確に定められているため、損失範囲を事前に限定することができます。
通常、FXトレードでは将来の値動きを正確に予測することは困難であるものの、損失範囲をあらかじめ設定することで管理はしやすくなります。確定性があることで、トレードに対する心理的な負担が軽減され、将来の値動きに対してより前向きに取り組むことができるようになるのがゼロカットシステムのメリットです。
少ない資金でも大きな価格変動に耐えられる
ゼロカットシステムを採用しているFX口座の特徴の一つは、資金がゼロに達するまで取引を継続できる点にあります。よって為替市場で大きな価格変動が起きた場合でも、証拠金維持率が低下した時にポジションが自動的にロスカットされることがありません。
多くのトレーダーがロスカットによる損失を経験している状況下で、ゼロカットシステムはその負担を軽減できる点で大きなメリットとなります。
このような特性を持つゼロカットシステムは、トレーダーにとって非常に有益な仕組みであるといえるのではないでしょうか。