TradingViewは、個人投資家やトレーダーに広く利用されている金融市場分析プラットフォームです。高性能で直感的なインターフェースを持ち、株式、外国為替、仮想通貨、商品先物など、さまざまな市場に対応しています。その最大の特徴は、詳細なチャート作成と分析ができる点です。多彩なインジケーターや描画ツールを活用することで、ユーザーは自分の投資戦略に合った視覚的な分析を行うことができます。
TradingViewは、ファイナンスアプリの中でも特に多くのユーザーに支持されているツールとして知られています。その魅力は、高い機能性と使いやすさの両立にあります。直感的な操作が可能で、デザイン性にも優れているため、多くのトレーダーから高い評価を受けています。また、ウェブブラウザ上で利用できるため、デバイスやOSを問わず、いつでもどこでも同じチャートを確認できるのも大きな特徴です。
さらに、FXだけでなく、株価指数や個別株、CFDなど多岐にわたる金融商品のレートやチャートを表示できる点も優れています。これにより、複数の銘柄を1つのチャート上に表示して比較したり、過去の値動きを遡って分析したりすることが可能です。こうした柔軟性の高さが、多くのトレーダーにとって欠かせないツールとなっている理由です。
本記事では、TradingViewについてお伝えしていきます。
TradingViewの特徴
ここからは、TradingViewの特徴について細かくお伝えしていきます。
1.描写ツール・インジケーターが豊富
TradingViewは、チャート分析に必要な描画ツールやインジケーターが非常に豊富に用意されており、多様な投資戦略に対応できる優れた分析環境を提供しています。特にインジケーターは80種類以上搭載されており、それぞれ異なる角度から相場を分析することが可能です。このため、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層のトレーダーに支持されています。
描画ツールの特徴と用途
描画ツールには、相場の動きを視覚化しやすくするためのさまざまな機能が備わっています。たとえば、「ピッチフォーク」は、テクニカル分析において頻繁に使用されるツールのひとつです。中央線を基準に、その上下に標準偏差をもとにしたラインを設定することで、価格の動きを予測する際の基盤を提供します。また、「インサイド・ピッチフォーク」は標準的なピッチフォークから派生したツールで、起点を高値と安値の中央に設定することで、より柔軟かつ正確な分析を行えるように改良されています。
さらに、「ギャン・ボックス」は市場の周期的な動きを測定・検出するのに役立つ強力な描画ツールです。これにより、価格の繰り返しパターンを視覚的に確認でき、将来の相場動向を予測する手助けとなります。同様に、「フィボナッチ・リトレースメント」や「フィボナッチ・チャネル」は、数学者レオナルド・フィボナッチの数列を応用したツールであり、相場の押し目や戻りを的確に予測するための補助線を提供します。
インジケーターの多彩な種類
インジケーターもTradingViewの大きな魅力のひとつです。「BBW(ボリンジャーバンド幅)」は、ボリンジャーバンドの幅を定量的に測定するための派生インジケーターであり、価格のボラティリティの変化を迅速に把握できます。ボリンジャーバンドの収縮や拡散を視覚的に示すことで、トレンドの転換やブレイクアウトのタイミングを見極めるのに役立ちます。
また、「BOP(バランスオブパワー)」は相場の強気と弱気の勢力を測定するためのインジケーターで、トレンドの勢いや方向性を視覚化します。このインジケーターは、2001年に開発されて以来、トレンド系指標として幅広く利用されています。他にも、「CCI(2重移動平均)」は商品市場から生まれた指標で、現在ではFX市場や株式市場でも一般的に利用されている多用途なインジケーターです。
短期トレード向けのツールとしては、「CRSI(コナーズRSI)」が挙げられます。RSI(相対力指数)と期間騰落率、騰落率を組み合わせたもので、短期間での価格の変動を細かく把握するために活用されています。一方、「DPO(トレンド除去プライスオシレーター)」は、価格のサイクルを視覚的に分析するためにトレンドを除去するツールで、長期的な価格傾向を排除して短期的な価格変動を明確にします。
ツールの活用による相場分析の可能性
これらの描画ツールやインジケーターを組み合わせることで、トレーダーはさまざまな視点から相場を分析し、市場の動向をより深く理解することができます。また、柔軟性の高いカスタマイズオプションにより、各ツールを自分のトレードスタイルや分析手法に合わせて最適化することが可能です。
TradingViewは単なるチャートツールではなく、トレーダーが市場で成功を収めるための強力な武器となるプラットフォームです。描画ツールやインジケーターを駆使することで、トレードの精度を高めるだけでなく、新たな投資アイデアの発見にもつながるでしょう。
2.金融商品や銘柄のチャートが表示可能
TradingViewでは、FX、CFD、株式、仮想通貨など、さまざまな金融商品や銘柄のチャートを一つの画面上で同時に表示することが可能です。
金融市場においては、異なる商品や銘柄が互いに影響を及ぼし合うことがよくあります。そのため、たとえFXのみを取引対象としている場合でも、相場の全体的な方向性を把握するためには自分が直接投資していない他の商品や銘柄の動向を確認することが重要です。TradingViewでは、複数の金融商品のチャートを一画面上で比較できるため、市場全体を俯瞰して分析することができます。この機能により、各市場間の相関性を考慮したより正確な相場予測や、今後の動向をチェックする際に大いに役立ちます。
3.見やすい直観的インターフェース・操作性
TradingViewのチャート画面はマテリアルデザインを採用しており、視覚的に非常に分かりやすいユーザーインターフェースが特徴です。従来の端末インストール型ツールは機能が豊富な一方で、操作が複雑で、どの機能が何を示しているのか分かりにくいと感じるトレーダーも少なくありません。
一方で、TradingViewは直感的に操作できるインターフェースを備えており、必要な機能や設定がすぐに見つかります。インジケーターの設定やトレンドラインの描画も簡単で、自分のトレードスタイルに合わせたレイアウトのカスタマイズも手軽に行えるため、初心者から上級者まで幅広く利用しやすい設計となっています。
4.オリジナルインジケーターを作成可能
TradingViewでは、プログラミングの知識があれば、独自のスクリプト言語「Pine Script」を使って、自分専用のインジケーターや取引戦略を作成することが可能です。さらに、作成したストラテジーを過去の相場データに適用することで、実際に稼働させた場合にどの程度の利益を上げられたかを検証することもできます。
これにより、戦略の有効性を事前に確認し、より精度の高い取引を行うための準備ができます。
5.ブラウザ起動にて場所を選ばずトレード可能
TradingViewの大きな特徴の一つは、ブラウザ上で動作する点です。ブラウザで利用可能なチャートツールは他のFX業者でも提供されていますが、多くの場合、機能性やカスタマイズ性がインストール型ツールと比べて劣ることが一般的です。
しかしTradingViewでは、チャートタイプや高性能な価格表示機能、比較チャート、スプレッドチャートといった豊富な機能が搭載されており、複数の通貨ペアやスプレッドを一画面で簡単に表示することができます。さらに、iPhoneやAndroid、iPadなどのタブレット端末でもデスクトップと同じレベルの機能性とカスタマイズ性を享受できます。そのため、どこにいてもデスクトップ環境と変わらない高品質なユーザー体験が可能です。
TradingViewは、ブラウザ上で動作するツールとしては驚くほど高い機能性とカスタマイズ性を備えており、トレーダーにとって柔軟かつ快適な取引環境を提供しています。
6.高スペックなTradingViewスマホアプリ
TradingViewのスマホアプリは、非常に高性能でブラウザ版とほぼ同等の機能を持っています。インジケーターや描画ツールなど、ブラウザ版で利用可能な機能がそのままアプリでも利用できるため、モバイル環境でも一切の妥協なく分析を行うことが可能です。
特に注目すべきは、ブラウザ版とスマホアプリが完全に同期している点にあります。多くのFX業者が提供するツールでは、パソコン版とスマホアプリの連携が不十分な場合がありますが、TradingViewではその心配はありません。ブラウザ版で設定したテクニカル指標や描画したラインは、スマホアプリにもそのまま反映。さらに、外出先でスマホからパラメーターを変更したりラインを修正した場合でも、それらは即座にブラウザ版に反映されるため、作業の手間を省けます。
また、スマホだけでなくiPadなどのタブレットでも利用可能で、より大きな画面で快適に操作することができます。外出先や移動中でもTradingViewのモバイルアプリを活用すれば、プロフェッショナルなトレード環境を手元に確保できます。このアプリはiOSとAndroidの両方に対応しており、App StoreやGoogle Playから簡単にダウンロード可能です。
TradingViewでチャート分析可能な金融商品
指数
S&P500/ダウ平均株価/DAX/FTSE100/日経225/ハンセン指数/VIX/ナスダック総合/米ドル/ユーロ
CFD
金/銀/プラチナ/パラジウム/銅/ダウ平均株価/S&P500/コーン/大豆/砂糖
株式
米国(NASDAQ/NYSE/OTC)/英国(LSE/LSIN)/ドイツ(FWB/SWB)/カナダ(TSX/TSXV)/日本
債券
米国債10年/米国債5年/米国債1-3年物/ドイツ国債10年物/スペイン国債10年物/フランス国債10年物/中国10年国債/インド国債10年/日本国債10年物利回り
通貨
EURUSD/USDJPY/GBPUSD/AUDUSD/USDCAD/USDCHF/EURGBP/EURJPY/GBPJPY/CADJPY/GBPCAD/EURCAD
仮想通貨
BTCUSD/ETHUSD/XRPUSD/BCHUSD/LTCUSD/BTCEUR/BTCJPY/XRPEUR/ETHJPY
先物
原油/天然ガス/金/銀/プラチナ/コーヒー豆/綿花/大豆/ユーロ/英ポンド/日本円/S&P500/ナスダック100/ダウ平均株価/米国10年国債/米国5年国債
TradingViewの料金プラン
TradingViewの料金プランについて気になる方も多いでしょう。TradingViewには無料プランと有料プランがあり、無料プランでも基本的な利用は可能ですが、一部の機能に制限があります。そのため、TradingViewをフル活用して高度な分析を行いたい場合は有料プランへのアップグレードがおすすめです。有料プランに移行することで、以下のようなメリットが得られます。
- より高度な分析が可能に
複数のインジケーターを同時に表示できるため、より深いテクニカル分析が行えます。特に、一度に4つ以上のインジケーターを使用できる点は、取引精度の向上に役立ちます。 - 時間足やデータのカスタマイズが可能
時間足を自由にカスタマイズすることで、取引タイミングを的確に判断できるようになります。また、チャートデータのエクスポート機能を使えば、より詳細な分析を外部ツールで行うことも可能です。 - 銘柄の検索と追跡が便利
株式スクリーナーを利用すれば、特定の条件を満たす銘柄を簡単に検索でき、自動で一覧が更新されます。これにより、投資対象の選定が効率化されます。 - 複数のチャートを一画面で表示
同一タブ上で複数のチャートを表示し、異なる時間足を同時に確認できるため、全体的な市場の流れを把握しやすくなります。 - 快適な操作環境
有料プランでは広告が非表示になるため、ストレスなく作業を進められます。さらに、専用のバックアップ回線を利用できるため、データ消失のリスクも最小限に抑えられます。 - カスタムアラートの利用
豊富なカスタムアラートを設定することで、市場の重要な変化を即座に把握し、取引のチャンスを逃しにくくなります。
TradingViewの有料プラン
TradingViewには有料プランが用意されています。
以下各プラン料金をまとめていますので参考にしてみてください。
BASIC | Essential | Plus | Premium | |
料金(月払) | 無料 | 12.95ドル | 24.95ドル | 49.95ドル |
料金(年払) | 無料 | 155.40ドル | 299.40ドル | 599.40ドル |
表示チャート数 | 1 | 2 | 4 | 8 |
チャート設定保存数 | 1 | 5 | 10 | 無制限 |
同時利用インジケーター数 | 3 | 5 | 10 | 25 |
設定可能アラート数 | 1 | 10 | 30 | 400 |
秒足表示 | 不可 | 不可 | 不可 | 可能 |
カスタム時間足 | 不可 | 可能 | 可能 | 可能 |
広告 | 有り | 無し | 無し | 無し |
出来高プロファイル | 無し | 有り | 有り | 有り |
※料金プランは変更される場合があるため、最新情報については公式サイトをご確認ください。
TradingViewの料金プランは、「BASIC」「Essential」「Plus」「Premium」の4つに分かれています。「BASIC」は完全無料で、利用期間の制限もありません。ただし、利用可能な機能が一部制限されているため、制限なくすべての機能を利用したい場合には、有料プランへの切り替えを検討するのがおすすめです。
ちなみに、無料版ではいくつかの制限があり以下のような機能が利用できません。
- チャートの分割表示ができない
- 同時に使用可能なインジケーターが最大3つに制限される
- 秒足チャートが非対応
- チャート設定を1つしか保存できない
- 出来高プロファイル指標が利用できない
- カスタム時間足の作成ができない
- アラートの設定が1つまでに制限される
- Webhook URL通知が利用不可
- カスタマーサポートへのアクセスができない
- 広告が表示される
- 高速データ更新に非対応
これらの制限が気になる場合は、有料プランを検討することで、より快適に利用することが可能です。
TradingViewの支払い方法
TradingViewの支払い方法は、基本的にクレジットカード決済が利用されます。対応カードはVISA、MasterCard、デルタ、エレクトロン、ユーロカード、マエストロ、AMEX、JCBカードなどです。また、PayPalを利用した支払いも可能です。契約は自動更新形式となり、月次契約の場合は毎月、1年プランの場合は1年ごとに料金が請求されます。ただし、自動更新の停止はいつでも可能で、契約解除に伴う手数料は発生しません。
さらに、有料プラン契約後に上位プランへのアップグレードも可能で、以前のプランで残っていた利用期間は新しいプランに引き継がれます。自動更新の決済ができなかった場合には、登録されたメールアドレス宛に通知が届き、数日以内に支払いを行う必要があります。
TradingViewが利用できるおすすめ証券会社
TradingViewに対応している主な業者は次の通りです。
国内の証券会社・FX業者:
- みんなのFX:TradingViewを内蔵しており、高機能なチャート分析が可能です。
- LIGHT FX:TradingViewを内蔵し、業界最高水準のスワップポイントを提供しています。
- GMOクリック証券:CFDサービスの取引ツールにTradingViewを内蔵しています。
- OANDA証券:FX口座でTradingViewと連携し、取引が可能です。
- サクソバンク証券:TradingViewと連携し、多様な金融商品の取引が可能です。
海外のブローカー:
- Interactive Brokers:広範な市場アクセスとプロフェッショナルな取引環境を提供しています。
- Forex.com:低い手数料と優れたリサーチツールを備えています。
- Webull:ゼロコミッション取引と使いやすいプラットフォームが特徴です。
- TradeStation:米国市場に焦点を当てたトレーダーや長期投資家に適しています。
- AMP Futures:先物取引に特化したアクティブトレーダー向けのサービスを提供しています。
これらの業者は、TradingViewとの連携により、高度なチャート分析や取引機能を提供しています。各業者によって取り扱い銘柄やサービス内容が異なるため、詳細は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
TradingViewは、FX、CFD、株式、仮想通貨など、多様な市場の分析に適した人気のチャートツールです。ウェブベースで動作するため、WindowsやMacのほか、iOSやAndroidなど、さまざまなデバイスで利用可能です。無料版でも基本的な機能は利用できますが、有料版にアップグレードすることで、より高度な機能を制限なく活用できます。
国内の一部の証券会社やFX業者では、口座開設を行い取引を開始すると、TradingViewの有料機能を無料で利用できる場合があり、たとえば、みんなのFXやLIGHT FXでは口座開設者向けにTradingViewの高機能チャートを無料で提供しています。
TradingViewに興味がある方は、まずデモ口座を通じてその使い勝手を試してみると良いでしょう。分析ツールは、取引の指針として非常に重要です。これまで思うような成果が得られなかった方も、TradingViewを活用することで、より効果的な取引が期待できるかもしれません。