FXにおけるレバレッジ規制とは?国内FXから海外FXの流れ

FXトレードにおいて、レバレッジは非常に重要な要素の一つ。レバレッジとは、「てこ」の原理を応用して、少ない資本で大きな利益を得る仕組みのことです。特にFXなど金融や投資の分野で頻繁に使われる概念で、自分の持っている資金以上の金額を運用するために、借り入れや信用取引を利用します。たとえば、自己資金が100万円の場合でも、200万円を追加資金とできれば合計300万円を使った投資が可能。これによって投資額が3倍になり利益も3倍になる可能性があります。とはいえ、同時に損失も3倍になるリスクがあるため、慎重な運用が求められます。

しかし、近年「レバレッジ制限」という言葉が注目を集めています。FX市場の動向を注視している方ならこの数年でレバレッジ制限に関する話題が増加していることに気づいているかもしれません。特に国内のFX業者を選ぶ際には、このレバレッジ制限が大きな関心事となることが多いです。

今回は、レバレッジ制限について、その影響や重要性について考察していきます。

レバレッジ規制によってレバレッジは10倍に引き下げられる?

FXのレバレッジ制限はたびたび議論されており、現在はレバレッジの上限を10倍に引き下げる案が検討されています。国内FX業者で適用されているレバレッジの上限は25倍ですが、これも過去に引き下げられた結果です。さらに10倍への引き下げが議論される背景には、為替市場の急激な変動によって投資家が大きな損失を被るリスクが懸念されていると言われています。

レバレッジ制限の狙いは、市場の混乱を防ぎ、トレーダーを保護することにあります。金融庁がレバレッジの規制強化に向けた方針を打ち出したことで注目されていますが、金融庁は独自の視点から必要性を判断していると見られます。

1998年の外為取引全面自由化以降、取引量は増加し続けています。しかし、近年の経済不況や雇用不安、年金制度の崩壊、さらに感染症の拡大といった要因が重なり、多くの人が経済的な不安を抱えています。そうした状況下でFXを収入源として活用する人が増加していますが、リスクが伴うのも事実です。

最大10倍レバレッジは現在は見送りに

FXにおける最大10倍のレバレッジ制限が取り沙汰されていますが、その施行時期は現時点ではっきりしていません。「徹底したストレステストを実施する」という条件のもとで一時的に見送られています。そのため、進捗は遅れているものの、10倍へのレバレッジ引き下げは着実に進む方向だと考えられます。

では、なぜこの規制は保留状態にあるのでしょう?現在の日本の状況を踏まえると、十分な説明がなくても規制を進めることは可能に思えます。しかし、10倍へのレバレッジ制限導入が一時的に延期されている理由には、大きく3つの要因が関係しているとされています。

今すぐにレバレッジ規制をする理由がない

10倍のレバレッジ規制が一時的に見送られている主な理由の一つは、その必要性が十分に認識されていないことです。

現状では、FXのレバレッジ制限を即座に導入するだけの明確な理由が見当たりません。低迷する日本経済からの脱却など他に優先すべき課題がある可能性が指摘されています。加えて、市場は過熱や停滞といった極端な状態にはなく、適度なバランスを維持しているいわゆる「ゴルディロックス状態」にあると見られています。そのため、価格変動の指標であるボラティリティも低水準で、市場は比較的安定しています。

さらに未払い金や実質的な負債が減少している状況では、10倍のレバレッジ規制を導入することで得られるメリットが明確ではありません。むしろ、規制によりFX市場の取引量が縮小し、結果的に税収減につながる可能性の方が懸念されています。

業界にとってマイナス

現在の為替市場は比較的落ち着いていますが、少し前には仮想通貨ブームが巻き起こり大きな関心を集めていました。仮想通貨はキャッシュレス決済の手段としてだけでなく、投資対象として利益を求める人々によって活発に取引されています。仮想通貨の影響を完全に免れているわけではありませんが、今でもFXと仮想通貨市場は密接に関連しています。

仮にFXで10倍のレバレッジ規制が導入されれば、一部のFXトレーダーが仮想通貨市場に移行する可能性があります。これにより、FX市場の参加者が減少し、業界全体が縮小する懸念が生じるでしょう。また、為替市場自体が活気を失うリスクも考えられます。

このように、レバレッジ規制の問題は繊細であり、慎重に検討されるべき重要な課題となっています。

FX業界の上層部の反対?

2010年8月にFXのレバレッジは50倍に引き下げられ、続く2011年8月にはさらに25倍に制限されました。このようなレバレッジの引き下げは、FX業界にとって歓迎されない動きとされています。

また最大10倍へのレバレッジ制限が具体的に検討されており、これに対してFX業界のリーダーたちは強く反発しています。彼らの意見が絶対的な影響力を持つわけではありませんが、業界の声を完全に無視することもできないため、一部では現状のレバレッジを維持しようとする動きも見られます。

このような状況から、レバレッジ制限の進行は慎重に進められています。

FXのレバレッジ規制におけるメリットとデメリット

FXにおけるレバレッジ規制には、メリットとデメリットの両側面があります。

メリット
・さまざまな取引スタイル、長期から短期まで、との相性が良い
・取引のリスクを低減できる
・ロスカットが発生しにくくなる

デメリット
・より大きな投資資金が求められるようになる
・投資できる額とそれに伴う利益が減少する

ハイレバレッジをかけることで、少額資金でも大きな利益を狙えるのがFXの魅力の一つですが、今後レバレッジ規制が厳格化されれば、資金に余裕のある人だけがFXの恩恵を得られる状況になってしまう可能性も十分考えられます。

海外FXへのほうが断然稼げる可能背がい高い

仮に最大10倍のレバレッジ制限が導入されたとしても、それは国内FXに限定された規制です。一方、海外FXでは国内のような厳しいレバレッジ制限が設けられておらず、高レバレッジを利用して大きな利益を狙うことができます。

今後、国内FXに対してさらなる規制強化が行われる可能性がある中で、海外FXに目を向けることはベストの選択肢の一つと言えるかもしれません。

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