EAをバックテストする方法とは?

システムトレードを始める前、使用を検討している自動売買ソフト(EA)が過去にどのような取引成果を持っているかを検証しないことには、怖くて使うことができないという日値もいるのではないでしょうか。

バックテストとは、過去の市場データを用いて投資戦略や取引ルールの有効性を検証する手法です。バックテストは過去の価格や取引量、経済指標などのデータを利用して、戦略がどのような結果をもたらすかをシミュレーションします。具体的には、設定した戦略を過去の市場状況に適用し、得られる損益やリスクの特性を分析。これによって、実際の運用前に戦略の強みや弱点を把握することができ、現実の市場でのパフォーマンスを予測する助けとなります。

バックテストのデータは、その自動売買ソフト(EA)を使用するか否かを決定する際の貴重な情報となります。

ここではFXの自動売買ソフト(EA)におけるバックテストについて詳しく見ていきます。

ヒストリカルデータの確認を行う

今回はMT4を使用しているという前提で話を進めていきます。

まずMT4でEAのバックテストを行う前に、テスト対象となる通貨ペアを確認しましょう。MT4の「ファイル」メニューから「オフラインチャート」を選択すると、オフラインチャートのウィンドウが表示されます。このウィンドウの左側には「ヒストリーデータ」があり、ここでバックテストしたい通貨ペアや「M1」「M5」「M15」などの時間足がリストされているか確認します。

バックテストを実行するには、指定した通貨ペアのすべての時間足のデータが必要です。もしヒストリカルデータが不足している場合は、事前に必要なデータをダウンロードまたは設定しておく必要があります。

「ヒストリーデータ」の横には「差出人」と「終了」という項目があり、これは利用可能なデータの期間を示しています。「差出人」はデータの最も古い日付、「終了」は最新の日付を表しています。この期間内でバックテストが実施できます。

必要な確認や設定が終わったら、「オフラインチャートリスト」のウィンドウを閉じて次のステップに進みましょう。

ストラテジーテスター設定を行う

MT4でEAのバックテストを進めるには、まずツールバーから「ストラテジーテスター」を選択しましょう。選択するとボタンが押し込まれたように表示され、「ストラテジーテスター」画面がチャートの下部に表示されます。この画面の左上が「エキスパートアドバイザ」に設定されていることを確認しましょう。もし他の選択肢になっている場合は、クリックして「エキスパートアドバイザ」に変更します。

その隣にある「▼」ボタンを押すと、インストールされている全てのMT4 EAのリストが表示されます。この中からバックテストを実行したいEAを選択します。そして、「通貨ペア」の隣にある「▼」をクリックし、バックテストを行いたい通貨ペアを選びます。同様に、「期間」の「▼」をクリックして、希望する時間枠を指定しましょう。

次に「モデル」の「▼」をクリックすると、バックテストの精度を選択するオプションが表示されます。「全ティック」は最も正確ですが時間がかかり、「コントロールポイント」は適度な精度と速度のバランスがあります。「始値のみ」は最速ですが精度は低めです。基本的には「全ティック」モードがおすすめです。

「モデル」の隣にある「スプレッド」では、バックテスト時のスプレッド設定を変更できます。「▼」をクリックして選ぶか、直接数値を入力してカスタマイズしてください。さらに、「期間の指定」にチェックを入れると、バックテストの実施期間を設定できます。「開始日」と「終了日」の欄に希望する期間を入力しますが、この設定は事前に確認したヒストリカルデータの範囲内である必要があります。以上の設定が完了したら、次のステップに進みましょう。

EA設定を行う

「ストラテジーテスター」画面の右側にある「エキスパートの設定」ボタンをクリックしてください。次に、「テストの設定」タブを開きます。ここでは、初期証拠金の設定を行います。

「初期証拠金」の欄にある「▼」マークをクリックすると、プリセットの金額を選択できます。また、直接数値を入力してカスタマイズすることも可能です。隣にある「▼」マークをクリックすると、証拠金の通貨を選べるオプションが表示されます。USD、EUR、GBPなどから選ぶことができ、日本円でテストしたい場合は「JPY」と入力することで設定できます。

初期証拠金の額は、十分な資金があるように設定することが重要です。例えば、10,000USDや1,000,000JPY以上に設定することが一般的に推奨されます。

さらに、「初期証拠金」の下にある「ポジション」の欄では、EAが取るポジションのタイプを選択できます。「▼」をクリックして、好みのポジションタイプを指定してください。設定が完了したら、次のステップに進みましょう。

 

Long onlyロング(買い)ポジションのみ
Short onlyショート(売り)ポジションのみ
Long & Short両方のポジション

次に、「入力パラメーター」タブに切り替えてください。ここでは、表示されている数値をダブルクリックすることで編集が可能です。また、「true」と表示されている項目もダブルクリックすることで、「true」または「false」を選択できます。

「true」を選択すると、その変数がEAに適用され、設定の影響が反映されます。一方、「false」を選ぶと、その変数は無効となりEAに影響を与えません。すべてのパラメーターを適切に設定したら、「OK」ボタンをクリックして設定を完了してください。

次に、「ストラテジーテスター」画面の右下にある「スタート」ボタンを押せば、バックテストが開始されます。設定が正しいことを確認してからテストを実行してください。

バックテストの結果を確認

「ストラテジーテスター」画面では、「スタート」ボタンの隣に進捗バーが表示されています。このバーが完全に緑色に変わると、バックテストが完了したことを示します。

進捗バーの下には複数のタブが並んでおり、その中にある「結果」タブを選択すると、バックテスト中のすべてのトレード履歴を確認できます。トレード履歴を確認した後は、隣の「グラフ」タブを開いてください。ここでは、証拠金の推移がグラフ形式で表示されます。

さらに、「グラフ」タブの隣にある「レポート」タブを開くと、バックテストの詳細な結果を閲覧できます。この「レポート」画面で右クリックすると、「コピー」や「レポートの保存」などのオプションが表示されます。これを使って、結果をコピーしたりファイルとして保存することが可能です。

 

まとめ:バックテストは必ずやろう

バックテストの最大のメリットは、過去のデータを使って投資戦略や取引ルールの有効性を検証できる点にあります。

これにより、実際に資金を投入する前にその戦略がどの程度成功する可能性があるかを把握できます。さらに、バックテストは戦略の改善にも役立ちます。過去の結果を分析することで、リスクを抑えつつ収益性を高めるための調整が可能となります。

また、実運用前に戦略の弱点や潜在的な問題点を発見できるため、損失を未然に防ぐことにもつながります。こうした過程を通じて、トレーダーや投資家は戦略に対する自信を深め、実際の運用時に冷静な判断を下しやすくなります。ぜひバックテストは行うことを忘れずに!

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