海外FXは、その高いレバレッジや魅力的なボーナスなどによって、FX初心者から上級者まで多くのトレーダーを惹きつけています。しかし、その裏には、資金が一瞬で消えるリスクや不透明な運営実態、出金トラブルといった危険が潜んでいることをご存知でしょうか?
中にはSNSやブログなどを参考にFXをスタートさせる人もいるかもしれませんが、どのような情報が正しいかは自分のめでしっかりと見極めなければなりません。
本記事では、海外FXの魅力だけでなく、そのリスクや注意点、情報の正確性についても見ていきます。一方的な情報に流されず、海外FXについて正しい知識を得ることを心掛けましょう。
日本の金融庁絡みの誤解
「海外FXは危険だ!」という意見を持つ人の中には、日本の金融庁からの警告を根拠に挙げる方が少なくありません。
確かに、金融庁の登録を受けていないものがほとんどの海外FXの場合、不安を感じるのは理解できます。しかし、それだけで海外FXが危険だと断定するのは早計です。実際には、金融庁に登録していなくても多くの信頼性の高い海外FX業者は存在しています。
海外FX業者が日本の金融庁に登録していない理由の一つには、レバレッジに関する問題があります。
海外FXの大きな魅力の一つは、高いレバレッジを提供していることにあります。国内FXでは最大レバレッジ25倍が一般的ですが、海外FXでは1,000倍を超えるようなレバレッジを提供していることもあります。この高レバレッジが大きな魅力であるため、海外FX業者は日本の金融庁の登録を避けていることが多いのです。またボーナスキャンペーンも海外FXならではのサービスの一つ。国内FXで豪華ボーナスはほとんど提供されていません。
また、多くの海外FX業者は他国の金融機関からライセンスを取得して運営しています。日本の金融庁が厳格だと感じることが多いですが、海外にも日本以上に厳しい金融機関は存在します。そうした金融機関からライセンスを取得しているFX業者の場合は、国内FX業者と比較してみても信頼性は高いと考えられます。
海外FXが日本の金融庁に登録していない理由には、FX業者の意向やビジネスモデルが影響しているということは知っておきましょう。
金融庁は何に対して警告を出しているの?
日本の金融庁から海外FXに対する警告が発表されていることで、海外FXは問題のある存在だと感じる方もいるかもしれません。
しかし、重要なのは金融庁がどの点について警告を出しているのかということです。一般的には金融庁が海外FXに対して警告を発する場面は主に次の2つのケースです。
1.金融庁に登録していないこと
2.ネット上での勧誘活動を行っていること
前述の登録に関する点についてはすでに触れていますが、ネット上の勧誘活動とは何を意味するのでしょうか?
金融庁が指摘している「勧誘」とは、おそらく日本の顧客をターゲットにした日本語の公式サイトの存在を指しているのではないかと考えられます。しかし、海外FXの公式サイトに関しては、虚偽の情報が掲載されているわけではなく、リスクに関する注意書きもきちんと記載されていますので、この点については金融庁の過剰な干渉とも受け取れるかもしれません。「警告されているから危険」という単純な結論は、必ずしも正しいとは限らないのです。
金融庁が海外FXにこだわっている理由
一見すると、なぜ日本の金融庁が海外FXに対して必要以上に関心を持っているかということが気になります。その答えは非常に明確で、金融庁の意向としては日本国民には国内FXを利用してもらいたいということが大きなな理由です。
なぜなら
・海外FXでは容易に税金が徴収できない
・海外FXでの資金の流れをトレースするのが難しい
大まかに言うと、金融庁の立場からすると国内FXの方が規制や管理がしやすいため、より取り扱いやく、そのため海外FXに対してどのように制約をかけるかという動きが活発になっているのです。
ボーナス絡みの誤解
「海外FXのボーナスは引き出せないから危険」と考える人がいるようです。
このボーナスは多くの海外FX業者ではボーナスの引き出しが許可されていません。ただしボーナスを使って得た利益は出金できます。その引き出しできない点ををリスクと捉えている人がいるのも事実です。
海外FXの特徴として、国内FXと比較して非常に魅力的なボーナスが提供される点があります。この魅力に惹かれて口座開設するトレーダーも少なくありません。ボーナスをもらえ得ることはある意味メリットとなります。たとえば、入金ボーナスを受け取ることで、取引可能なポジションの最大値を大きく拡大することができます。ボーナスを活用することで、実際の資金以上の取引が可能となり、元の資金をより効果的に活用できるというメリットが生まれるのです。
海外FXの口座開設のボーナス、入金ボーナスなどの各種ボーナスは実際に大きな魅力となっています。ボーナスが引き出せないことを問題点と見なすのは少し短絡的です。
口座の証拠金維持率が有利になる
口座開設ボーナス、入金ボーナスを受け取ることで、取引の範囲が大きく拡大するだけでなく、証拠金維持率を有利にする効果もあります。ボーナスによって有効証拠金が増加してボーナスがない状態よりも証拠金維持率に余裕が生まれます。
証拠金維持率とは、FX取引やその他のレバレッジ取引において、現在の有効証拠金(口座内の資金残高+未決済ポジションの評価損益)が、必要証拠金(取引に必要な最低限の資金)に対してどの程度の割合を保っているかを示す指標のことです。
この数値は、取引の安全性を判断する重要な要素となります。
証拠金維持率は次のように計算されます:
証拠金維持率(%) = (有効証拠金 ÷ 必要証拠金)× 100
たとえば、有効証拠金が10万円で必要証拠金が5万円の場合、証拠金維持率は200%となります。ちなみに、証拠金維持率が一定の水準を下回ると、追加証拠金(追証)の請求が発生したり、ポジションが強制的に決済されるロスカットが行われる可能性があります。そのため、取引を継続するためには証拠金維持率を適切に管理することが重要です。
証拠金維持率が100%を下回ると危険信号とされますが、FX業者によってロスカット水準は異なるため、利用前に各業者の規約をよく確認しておきましょう。
出金拒否の誤解
「海外FXで出金拒否されるところはリスクが高い」といった声もありますが、それは必ずしも正しいとはいえません。
トレーダーが何の過ちも犯していないのに出金を拒否されるのは、海外FX業者が不正な行為をしている例外的なケースです。このような状況は、業者選びに問題がある場合が多く、十分なリサーチを行って信頼性のある業者を選べば避けることができます。
一方、トレーダーに問題があるにもかかわらず、トレーダー自身がその問題を認識せずに「出金を拒否された」と非難するケースも存在します。ただ単に、出金条件を満たしていなかったといったケースです。このような場合、海外FX業者に問題があるのではなく、トレーダー自身に責任があると言えます。
海外FXの利用規約を正確に理解したうえで、信頼できる業者を選ぶことでリスクを最小限に抑えることができます。